犬との童話な毎日
そうあたしが言えば。
「……六花、倦怠期になるような相手でもいたっけ?」
怪訝そうな表情を浮かべる悠さん。
日直の悠に付き合って、今は放課後のがらん、と淋しい教室に二人きり。
「んーーー……まあ、強いて言えば悠くらいかな。そんな相手」
一応、生物学上では男の子だしね。
けど、なんせあたしよりも女子力の高い悠なので、ときめきもしない。
幼馴染だから、っていうのもあると思うけど。
「ふーーん。まぁ、出来たら教えてよね」
え、と悠の顔を見る。