犬との童話な毎日

あたしの訴えにも、先生は呆れたように笑う。

「……反省が足りないようなら、八坂専用の課題を用意してやろうか?」

「いえ、滅相もございません。喜んでお掃除させていただきますです」

これまた小さくなって頭をぺこりと下げる。
先生がよし、再開するぞー、と言いながらあたしのスマホを教壇に乗せた。

あーー……まじか。

ふと目が合った悠と高城も、にやにやと笑っていて。
足元では珍しく黒曜が、身体を揺らして笑っている。

「…………」

……まぁいっか。

かつかつと規則正しく黒板から聞こえる音に、頬杖をつく。
ゆらりと揺れる尻尾を視界の隅に感じながら、欠伸を落とした午後。



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