犬との童話な毎日
「やさぐれ六花だ!!」
うるさいな。
もう、構う気力もないんだからやめてくれ。
机にぺたん、と頰を付けると茶色い塊りが窓際の机に座って外を眺めているのが見えた。
ぶらり、と垂らした尻尾を揺らしているその後ろ姿すらも憎たらしい。
暇だったのか、そのうちに腰を上げて窓からひょい、とどこかへいってしまった。
ここ三階だけど脚、折れないのかな。
まあ常識に当てはめちゃいけないんだよね、きっと。
ってか例えば折れたとしても知らない。
ってか折れろ。
「おいー、そんなに今日の夢はハードだったんかよ。いつもより不細工さが二割り増しんなってんぞ」
「冬馬くん、六花にそんなこと言うなんてサイテーだね」