犬との童話な毎日

あたしの目には、黒曜の体がうっすら透けて見えるわけじゃなく。
普通に実体がそこにあるようにしか見えなくて。

蹴られないように端っこに寄ればいいのに。

まあ、擦り抜けてるんだから、痛くはないんだろうけど。
気分悪くないのかな?

「六花ー、行かないの?」

「芋食いてーんだろ?早く行こーぜ」

「芋言うな。ポテトポテト。フライドポテトだし」

「芋は芋だろー。面倒臭せーな」

高城ってば本当にがさつな男。
黒曜の年寄り臭い落ち着きを分けてやりたい。
< 273 / 311 >

この作品をシェア

pagetop