犬との童話な毎日
あたしの目には、黒曜の体がうっすら透けて見えるわけじゃなく。
普通に実体がそこにあるようにしか見えなくて。
蹴られないように端っこに寄ればいいのに。
まあ、擦り抜けてるんだから、痛くはないんだろうけど。
気分悪くないのかな?
「六花ー、行かないの?」
「芋食いてーんだろ?早く行こーぜ」
「芋言うな。ポテトポテト。フライドポテトだし」
「芋は芋だろー。面倒臭せーな」
高城ってば本当にがさつな男。
黒曜の年寄り臭い落ち着きを分けてやりたい。