犬との童話な毎日
『……まぁ、無関係とは言えないがな。俺の存在を認識し、目視した時点で、小娘の視野は格段に広がった。それの余波を受けて、本来人間と交わる事の無い存在だったのが、小娘の影響を受けて顕在化したんだろう』
「……で、つまり?」
『…………』
黒曜が黙ってしまった。
だって黒曜の話し方、回りくどくて難しくて、何言ってんだか分からないんだもん。
ホント、もっと簡潔に話してくれないかしら。
『……つまり、俺の存在も字虫の存在も、小娘さえ気付かなければ今まで通り目にも見えなかっただろう、って事』
あ、凄く掻い摘んだ。
「ふーん」
『分かったか?』