犬との童話な毎日

散々八つ当たりをした後。
自分でも嫌な女だな、と思うんだけど、機嫌の悪い理由を話してようやくすっきりした。
いつも通りの流れ。

「あー、なるほどね。
昔っから六花、その夢見た後おかしくなるもんねー」

お弁当の唐揚げを頬張ったまま頷く。
お向かいにはオレンジジュースのストローを咥えた、いつも通りの可愛らしい悠の顔。

「あぁ?何だよ。
夢見が悪いだけであんなに機嫌悪かったんかよ、八坂(やさか)」

そしてその隣りには悠と同じシャツを着た高城 冬馬(たかしろ とうま)。
少し茶色に染めた髪の毛はシャギーが入っていて、顔も人懐こい性格が出ていて、何て言うか軽い印象。
こいつは高校に入ってからの付き合い。




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