犬との童話な毎日
二枚のカーテンが問答無用で排除された先には。
驚いて固まるお上品な感じのおばさまと、これまたお口を開けたままベッドに横たわる若い女の人。
沙月ちゃんと同じで、手には点滴。
掛けられたお布団から出たコードが何やらモニターに繋がれている。
多分、若い。
下手したら20歳位かも。
輪郭が細くて、弱々しく見える。
「あわわ、ご、ごめんなさ」
「な、何なんです一体」
「その子とどういったご関係ですか?」
母親の突然の行動を謝罪するあたしと、一体何が起きたのか理解出来ない様子のおばさんと、理解不能な質問をし始める母親の声が重なった。
わわわわー、ちょ、どうしよ。
また始まったよ、この顔、キレてるよ。