バカ彼氏
「あのねー、

 彼氏がいつも車道側歩いてるかどうかこの質問で分かるじゃん?

 そんだけー」

相変わらず伸ばした語尾で

真希がそう言った。

そんだけかいっ。

私の彼氏……

棚田雅生はそんな事気にしてないだろうなぁ。

車道側が何なのかすら分かってないかもしれない。

流石にそこまで馬鹿じゃないかな。

そんな思いを打ち消して、

「桜子の彼氏って

 そんな気が利いた奴だっけ?」

とちょっと突っ込んでみた。

「ギクッ」

「桜子ー、

 自分で効果音付けないのー」

ニコニコする真希。

「桜子ー。
 
 お前の彼氏そんなに気が利いてたかー」

「ぎくっ」

私が追い打ちをかけても

桜子はそれしか言わない。
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