お蔵入り書庫
──そう。
成都はそんなことを言っても許されてしまう程、時々、同じ男だということを忘れそうになる程、美人で、可愛い。
顔も勿論だが、性格が、色んな意味で可愛い。
まぁ、可愛いと言っても良い意味ばかりじゃないし、アイツの変わった言動は、天然の一言では片付けられない。
成都には、人を惹き付ける魅力がある。
男にも女にもいつだって自然体で接して、常に、人の輪の中にいる。
そんな成都を、自分の親友を、俺はいつしか──好きになってしまっていた。
『──それでは、学校からの連絡をお伝えします』
親友を、好きになる。
それは、叶わぬ恋だと思っていた。
男が男を好きになるなんて、有り得ないだろ?
だから、この思いはずっと、隠していようと思っていたんだ。
成都の周りには、成都が大好きな可愛い女の子が大勢居て。
何度も何度も告白されて。
いつ「彼女が出来た」と言われてもおかしくない様な状況だった。
にも関わらず、成都は特定の誰かを彼女にすることもなく、俺の隣でチョコと女の子にニコニコしていた。
だが、運命の日は突然やってきた。