お蔵入り書庫
 
「──そうだ、なっちゃん。ホワイトデーのお返し、期待してるから」

「何言ってんの。五円チョコのお返しなんて、この前の清治のオムライスで終わったじゃん」

「アレは清治からで、なっちゃんからじゃないでしょ」

「俺と清治は2人で1つ!」

「それって……ふざけて言ってるの? 本気で言ってるなら怒るわよ」

「きゃー! 弓香のスケベ!!」


 女子みたいな悲鳴を上げて、成都がどこかへ走っていく。


「なっちゃん……っ!! 待ちなさいよっ!!」


 相変わらず……この2人の会話にはついて行けない。

 成都を追い掛けて弓香が教室を出て行くのと同時に、昼休みの終了を告げる予鈴が鳴り響いた。
 
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