ふくれっつらな俺のプリンセス
届かない思い…
俺たちが中3の夏休みに、
小原家の向かいに住んでいた中井陽輔が家族と一緒に遊びに来ていて
俺の家にも久しぶりに顔を出してくれた。
陽輔は舞衣の初恋の人
そして離れて暮らす今でも密かに思い続けている相手だ…
陽輔は穏やかで優しい性格
幼い頃…
兄貴分たちと外で思いっきり遊び回るアウトドア派の俺とは違い
陽輔は舞衣や優衣姉を相手に『ままごと遊び』に付き合うインドア派
タイプの違う俺たち
恋の上ではライバル?
陽輔の気持ちは分からないから俺の勝手なライバル視の方が的確か?
そんな事を思いながらフォトスタンドに入っている『いちごパンツ』の写真を眺めていた。
そこに陽輔の蔑みとも取れる物言いに彷徨う思考が現実に戻される。
「ホント舞衣ってブスだよなぁ~?何でいちごのパンツだけしか穿いてなんだ?
あははーマジウケるこの写真…」