ふくれっつらな俺のプリンセス
父と伯父と交わした養子の話を聞いて貰うため舞衣の両親に
『俺の人生が掛かった大切な話があります時間を下さい』と
お願いして舞衣の家に向った。
本当の目的は舞衣との結婚を許して貰うこと…
子供の癖に『何を血迷っているんだ!』とおじさんに怒鳴られ、
罵られる(…もしかしたら殴られる)のも覚悟の上だ!
通い慣れた小原家…
俺はいつもと違い、明らかに緊張している
玄関扉…ドアノブを掴む手は冷たくなり震えが止まらない
深呼吸を1つ、覚悟を決めて扉を開けて家に上がる
事前に『二人だけに話したい』と言っていたから、
いつもは入る事のない、おじさんと優子さんの部屋に通された。
正座をして二人に向き合う
俺は今まで見せたことのない真剣な表情で養子のなる経緯を詳しく話して伝え、
それから「舞衣と結婚させて下さい」と両手を付き頭を下げてお願いした。
おじさんは怒鳴ることも罵ることも無かったけれど…
険しい表情をしたまま一言も口を利かない。
優子さんは声こそ出さないけれど…表情はにこにこと喜んでいるようにも見える。
沈黙が耐え難くなった時…
おじさんが漸(ようや)くひと言「学の気持ちは分かった…」そう言ってくれた…