ふくれっつらな俺のプリンセス
小さな声で話し出す俺を優子さんが隣に座りぎゅっと抱きしめてくれた。
「学君は必要な子よ…ちゃんとお母さんとお父さんに愛されてるわー
学君のお母さんに聞いたことがあるの…
『学に寂しい思いをさせてまで働きに出るのが申し訳ない。
……仕事を続けるか悩んでる』って、それからいつも私に自慢するんだから
学はハンサムで何でも覚えるのが早くて優しい自慢の息子だって……」
「……そんなこと、言われたことない……」
「うーーん、学君のお母さんは恥ずかしがり屋さんなのかも、
学君に直接言うのが照れくさいのかしらね?」
優子さんは笑顔でそう言って慰めてくれた。
「学君はしっかりした子だけど……
まだ小さい子供なんだから無理に我慢しなくてもいいのよ
寂しい時は寂しいって言わなくちゃダメよ
泣きたい時は泣かないと心が病気になったら大変だもの……」
抱きしめてくれた優子さんの胸はふかふかで、お日様みたいにぽかぽかで、
『せっけん』みたいなイイ香りがした。