ふくれっつらな俺のプリンセス
「……えっ…と、さすがにこの年齢なので…」
そう白状したところで、出来れば追及はここまでにして欲しかったのだが…
「それで、それで…」
あかりさんは瞳を爛々輝かせて好奇心を隠す事無く俺に話を促し続ける。
はぁ…もうここまで話したら仕方がないかと腹を括り、俺は話し始めた。
「高1の頃…とても短い期間
父の教え子の女子大生に勉強を見て貰っていた事がありまして…」
俺が最後まで話し終えないうちに察しの良いあかりさんは…
「『あっち』の方も教わったという事かしら?」と俺の言葉を継いだ。
(御名答…)
「…まぁ…そんなところです」
その女性はとても優秀な学生で父が依頼して来て貰っていた臨時の家庭教師
凛とした佇まい、『とても可憐な女性だな』ってのが俺の第一印象
白いシャツのボタンをしっかり一番上まで留めているような古風な感じのする人だった。
それなのに…
表情やしぐさに無駄に色香を放っていて思春期の俺は翻弄され捲り、
ついフラフラと彼女の誘いに乗ってしまった俺が悪いに決まっている。
そんな彼女は見た目と違い、指導の仕方がとても厳しい人だったんだよなー
「プライベートレッスン」なんて甘い響きとは程遠い…
あれは男の意地とプライドを掛けた「秘密の特訓」だった。