ふくれっつらな俺のプリンセス
……それだから
優しくて大らかな『優子さん』のことが子供の頃から大好きなんだ。
俺と優子さんの朝の挨拶を
「はぁーーー」と大袈裟に
ため息を付きながら胡散臭いモノでも見るように……
舞衣が俺に視線を向けている。
「おいブス、朝から盛大にため息ついてこれ以上不幸になったらどうすんだ?」
俺は心にもない言葉を口にする。
「朝っぱらから人の家に上がり込んで当然のように【朝食】食ってる奴に言われたくない!」
そして今日もまた舞衣に嫌われる。
(『はぁーーー』何でこの口はこうも心と裏腹な言葉を吐くのだろう……)
ポーカーフェイスを装いつつも朝から何気に落ち込む……
そんな俺を小原家の男たちがニヤニヤと嫌な笑顔で傍観している。