ふくれっつらな俺のプリンセス
「私と蓮は出身校が翔王高だけど…もしかして学君も翔王高?」
何故かあかねさんは俺たちの出身校の話をし始めた。
「俺と舞衣も翔王高です…でも3歳違いですから入れ替わりですね」
俺たちの学び舎である翔王高は県内有数の進学校で、
ちなみに小原家の兄妹は全員が翔王高を卒業している。
「そうなの…学君は後輩になるのね」
話が行きつく先は分からないけれど、高校に関係のある話のようだ。
「私が高3の時に学園祭の実行委員を蓮とする事になって…
打ち合わせを小原家でさせて貰った事があってね
その時に蓮が何も言わないうちに…
サッとコーヒーと手作りのケーキを出してくれたのが舞衣ちゃんだったの」
さすが舞衣…
王様の姿が見えただけで何を言われるのか、先を見越して行動したってことか?
その姿が目に浮かび思わず微笑みが零れる。
「舞衣ちゃんは真っ赤になりながら
『これ私が焼いたケーキです良かったら食べてください』って
ケーキを勧めてくれて…
私が一口食べて『美味しーい、お菓子作り上手なのね…』って褒めたら
トレーを掴んだまま『ぽぉー』と立ちつくしちゃったのよね」
何か話が変な方向に行きそうなイヤな予感がしなくもない…