ふくれっつらな俺のプリンセス
「皆が蓮を強く推したのは蓮の顔が中性的で『もこみち君』並みの小顔に、
当時はかなり華奢な体型だったからかも…
蓮よりもイケメンはクラスに居たけど、必ずしも女装が似合うとは限らないし…」
うん?『もこみち君』とは…
あのオリーブオイルが大好きな和製ジェイミーオリヴァーのことだろうか?
あかりさんが思い出しながら当時の事を語ってくれるので、
話の腰を折りたくなかった俺は些細な事柄は聞き返したりせず…
想像で補ったり、聞き流したりしながら話の本筋を追いかけていた。
「そこに『そんなに蓮が嫌がるなら俺が引き受けてもいいよ』って
騎士道精神の元に手を挙げたのが寅雄君だったの…」
そこまで言い終えたあかりさんは…
「ぶほっ」って吹き出しギャハハハと笑い転げて俺を置いてけ堀にする。