ふくれっつらな俺のプリンセス


「皆が蓮を強く推したのは蓮の顔が中性的で『もこみち君』並みの小顔に、

当時はかなり華奢な体型だったからかも…

蓮よりもイケメンはクラスに居たけど、必ずしも女装が似合うとは限らないし…」

うん?『もこみち君』とは…

あのオリーブオイルが大好きな和製ジェイミーオリヴァーのことだろうか?

あかりさんが思い出しながら当時の事を語ってくれるので、

話の腰を折りたくなかった俺は些細な事柄は聞き返したりせず…

想像で補ったり、聞き流したりしながら話の本筋を追いかけていた。

「そこに『そんなに蓮が嫌がるなら俺が引き受けてもいいよ』って

騎士道精神の元に手を挙げたのが寅雄君だったの…」

そこまで言い終えたあかりさんは…

「ぶほっ」って吹き出しギャハハハと笑い転げて俺を置いてけ堀にする。




< 67 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop