ふくれっつらな俺のプリンセス
最強の同士
あかりさんの話を聞いて「ぎゃはははーー」とお腹を抱えて笑い転げた俺
体を張って女装したのに…
美味しいところを寅雄君に全部持ってかれた蓮兄の無念を思い…
笑い過ぎて涙が零れた。
「あかりさん…その時の写真ありませんか?」息も絶え絶えに聞いてみる。
「うん、ちょっと待ててね」そう言ってあかりさんは写真を探しに行ってくれた。
大分部屋が明るくなってきたように感じ、何とは無しに寝室の壁に掛かった時計を見るともう明け方の5時を迎えようとしている。
喋り過ぎに、笑い過ぎて口が渇いてきたように感じていたけど、二日酔いによる頭痛は軽くなっていた。
「はい、これよ」
あかりさんが差し出してくれたアルバムにはクラスの完全勝利に歓喜の表情を見せる高校生たちが眩しい笑顔で納まった集合写真や学園祭の主役3人のスリーショットを納めたものが写っていた。
寅雄君はあかりさんの説明通り、国民的映画の主人公にそっくりな顔だ…人の良さそうな穏やか笑顔でフレーム内に収まっている。
想像以上に王子な姿はあかりさんのはまり役で観客席から黄色い声援が飛び交ったのも頷ける…でも嬉しそうに微笑む幼さの残る顔はとても可愛いと思った。
「げっ…舞衣だ…」思わずそう呟いた程に女装した蓮兄の顔は舞衣にそっくりだった…
「そうでしょう」あかりさんも写真を覗き込みながら俺に同調する。