ふくれっつらな俺のプリンセス
「あのさぁー学
あんたモテるのに何で彼女つくらない訳?
もうそろそろ私を下僕生活から解放してあげようとか思わない?」
出勤途中の会話で突然舞衣に切り出される。
「…何かあったのか?」
そう聞いたら…
「総務の毒々しい美人に睨み付けられながら…
あんた学君とどんな関係?って言われたの
マジ…久しぶりに身の危険を感じたわ」
そう言いながらケラケラ笑っている。
(こいつバカだ…俺はおまえを狙ってるんだよ!)
「で…何て言ったんだよ」
「えっーと…
学は家が近所の幼馴染で幼稚園から大学まで一緒の同級生
そして彼の下僕ですって答えたけど…」
舞衣が俺のこと幼馴染としてしか見ていないのは知っていても
…その返答は気に入らない
苦虫を噛み潰したような表情で舞衣を見てしまう
「なっ何よ!ホントの事じゃない…
下僕生活だけでも大変なのに、こっちは身に覚えのないことで嫌がらせされて困ってるんだから…
あんたが何とかしなさいよ、フン」
「もう直ぐ25歳になる女が鼻息荒く『フン』とかマジ…ウケる」
俺の表情に焦りまくる舞衣が可笑しくて…
でもやっぱり可愛くて思わず笑い出していた。