人気女優がタイムスリップ!? ~芸能界⇒島原⇒新選組~
「か……可愛いー!!」


抱き着きたい欲望に耐えきれずに、思わず抱き着いちゃった私。


そうやってハグをしている私たちは、他の人から見たら可笑しな二人組だろう。


案の定、暇な男どもが私たちにちょっかいを出してきた。


「お二人さ~ん、女同士は何かと大変だと思うぜ~。」


「なんですか、原田さん………
私たちは友達ですよ。」


そうやって近づいてきたのは、ニヤニヤと笑っている原田さんと永倉さんだった。


「ち、ち、違いますよ!!
彰ちゃんの言う通り、私たちは友達です!!」


明らかに冗談半分で言っている原田さん冗談を、本気で信じている乙葉ちゃん。


「お前らもう仲良くなったのか。でも気をつけろよ、女の友情っていうのは些細なきっかけが原因で簡単に壊れちまうからな………」


「「不吉なこと言わないでください!!」」


私と乙葉ちゃんは、仲良く声をそろえて永倉さんの言葉を否定した。


「わかった、わかった。
そろそろ巡察の時間だから、俺たちは行くよ。」


「新八よ~ぉ、隊士が呼んでるぜ。早くいくぞ。」


すると、隊士に呼ばれて席を外していた原田さんがこっちへやって来てそういった。


「左之助……
おめぇから彰達にちょっかい出したんだろ。俺はせっかくそれに乗ったやったのにな。」


嵐のように去って行った原田さんと永倉さんの背中を、仕返しに睨んでみたらブルッと二人が震えたのは気のせいでしょうか?


『まったく、二人は相変わらずだなぁ……』


「もー、原田さんと永倉さんったら。あの二人も、あいかわずだよね。」


「それ、私も同感。」


どうやら、乙葉ちゃんも私と同じことを考えてたようです。


「さて、私たちも洗い物済ませちゃおっか!」


「うん、そうだね。」


私は自分の分のご飯を食べ終わったので、お皿を片付けるべく乙葉ちゃんに声をかけた。
< 100 / 137 >

この作品をシェア

pagetop