人気女優がタイムスリップ!? ~芸能界⇒島原⇒新選組~
最初のころより、配膳やらおかわりラッシュやらに慣れたので、今は隊士の皆さんとご飯を取る余裕までできました。


だから、この何気ない会話もここにいる人にも筒抜けなわけで。


「彰さん、恋ですか?」


………私も、沖田さんに絡まれるとは思いませんでした。ってきり、近くでご飯を食べている永倉さんあたりに絡まれると思ってました。


「……………」


この沈黙は、沖田さんがこんなことを言うなんて思わなかったの沈黙です。


決して、沖田さんが恋バナに興味があったと思ってなくて、今度乙葉ちゃんも一緒に乙女三人(笑)で恋バナしよう!!なんて、決して思ってません。


「なんだとー!!
彰、どこの馬の骨に誑かされたんだ!!」


「…………原田さんに関係ないでしょ。」


地獄耳かっ!!って叫びたくなりました。だって、原田さんは今の今まで結構離れた距離にいたから。何で、こういう話になるとどこからともなく現れるんだろうね?


やっぱりあれだ、こういう話はどの時代や国でも盛り上がるんだ。そう実感した。


「それに、私の趣味はそこまでまで悪くないわ。(ボソッ」


だけど、それとこれとは別問題。


私は、あんな人(飛鳥さん)に恋するほど恋というものに飢えていません!!


一応、声を小さくしたからギャーギャーと騒いでいる原田さんには聞こえなかったらしいですです。


「“あの人”とは、どなたのことですか?」


そう言って、とても素敵な笑顔で微笑んだ沖田さん。


どうやら、私の小さな独り言も聞こえていたようです。


土方さんの黒いオーラほどじゃないけど、あり無話言わせない沖田さんの笑顔。


素敵な笑顔を見せられているからこそ、その輝かしい笑顔に胸が痛みます。


そんな沖田さんの笑顔は、自白剤を飲ませたように私の口を軽くします。だけど………


「………内緒です。」


「「えぇ~!」」


何気に、私達の会話を聞いていたらしい乙葉ちゃん。


盗み聞きはいけないよ、乙葉ちゃん。
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