人気女優がタイムスリップ!? ~芸能界⇒島原⇒新選組~
「すみませーん、お団子3つくださーい!」


「はーい!」


私と乙葉ちゃんと沖田さんは、三人で町に来ていた。


女子会ならぬ壬生会です(笑)
主に、仕事の愚痴を漏らしたりショッピングをしたりします。


「はい、お団子三つね。」


「ありがとうございます。」


お団子を持ってきてくれたお姉さんにお礼を言って、それを口にした。


「モグモグ)そう言えば沖田さんって、私がここ(浪士組)に来る前も朝稽古に出てなかったんですよね?」


前々から少し疑問に思ってみたことを聞いてみた私。


「モグモグ……ゴクリッ)僕は朝稽古が嫌なんじゃなくて、あの暑ぐるしい中に何刻も居続けるのが嫌なんです。

だけど、僕も一番隊の隊長ですし。朝の涼しい時間に早起きして稽古をしているんです。

そして、隊士の皆さんが稽古をしているときに私はゆっくり布団の中。というわけです。」


真面目なのか不真面目なのか、たまにわからなくなる沖田さん。


私と乙葉ちゃんが一粒目のお団子を呑み終えた中、沖田さんは数秒足らずで三粒あったお団子がもうなくなっていた。


やっぱり、こういう所は男の人なんだな。って思ってみたり。
いや、沖田さんが異常だけなのかな?


「モグモグ)私が朝早く屯所に来た時に聞こえていた、ブンブンって音は沖田さんが素振りをしていた音だったんですね!」


「ズズズッ)おそらくそうですよ。
少し話はそれますが、僕ははっきり言ってしまうと、この国のにらいなんてどうでもいいんです。

近藤さんの追いかける夢がかなうなら、僕はただあの人についていくだけです。

なので、この国の政治の状況やらは、わたりやすくたとえると商人や町娘ほどの知識しかないんです。

そのことで、土方さんにもっと勉強しろ!とか言われますけど。」


そうやって、自分の夢を語る沖田さんの表情は女の私よりもきれいで輝いて見えた。


「さて、二人も食べ終わったようですし、町を見て雑談しながら、時間をつぶしましょうか。」
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