人気女優がタイムスリップ!? ～芸能界⇒島原⇒新選組～

《3年前》

そんな気持ちを抱えたまま、3年の月日が流れた。


14歳になった俺は一ノ瀬家の長女を追い、芸能界に入って3年が過ぎたころ、
一ノ瀬家の長女一ノ瀬彰は女優『Ayana』として絶大な人気を得ていた。


芸能界に入って間もない俺は、1日でも早く追いつけるように必死で仕事を頑張り、
その甲斐あってか俺はたちまちAyanaと並ぶ人気俳優にまで上り詰めた。


そんなある日、俺のもとにあるオファーが来た。


その内容は、俺とAyanaがドラマで共演するという
今までの俺の願いがかなったも同然とも言っていい仕事だ。


当然俺をその仕事を受け、
そのとこは芸能ニュースとなり世のファンたちは今か今かと放送の日を待っていた。



そうして撮影日…



「こんにちは、Ayanaさん。あなたが一ノ瀬家の長女だということは本当ですか?」


こう切り出した俺は、予想道理の反応をしてくれたAyanaに演技を加えて純粋な少年を演じ続けた。


最初の目的は、どういう形であれAyanaに俺のこと以外を見れなくさせるようにするつもりでいた、
そう接しているうちにふとある疑問が俺の頭をよぎる。
『こいつの鬼の覚醒の役目はだれがやるんだ。』と、
そのことを俺の親父に聞いてみると衝撃的な事実に直面した。



『あぁ、それなら分家の中で一番優れている男がやるだろう』



それを聞いた瞬間、俺の中に後悔の念が押し寄せた。
『俺があいつを追って芸能界に入って行ってしまったばっかりに、
あいつの覚醒をほかの男がやるだと…』


そう、芸能界に入って小さいころから習っていた稽古や勉強をきれいさっぱりやめてしまった俺は、とても分家も中で一番とは言えない実力になっていたのだ。


ほかの男にやるくらいなら…


この俺が、この俺があいつを奪ってやる!!




この時の俺はどうにかしていたんだ…
あいつがほかの男に抱かれる姿を想像しただけで、
おかしくなりそうになっていた。