人気女優がタイムスリップ!? ～芸能界⇒島原⇒新選組～

彰　side　


あの夜から少したって次の日の朝になった。

あそこに翔がいたのはびっくりしたけど、私もこの時代に事故で来たから翔もこっちにいてもおかしくないと、よくよく考えてみればわかった。


それはいいんだけど…


『この気まずい空気どうにかして!!』


そう、私か心の中で叫びたいほど室内の空気は重いのだ…





≪さかのぼること1時間前≫


「わかった!?
翔はこの部屋から出てきちゃダメ!!」

「わかったよ…
彰がそういうなら。」

そう言っている翔だけど、顔はすごくふてくされている。
なぜここまでふてくされているかというと…

「だから私は大丈夫だって、
私は舞や三味線しかやらない遊女だから。
…まぁ、たまに触られたりするけど。」

「だから、それが駄目なんだって!!
俺の、俺の彰が酔った野郎どもから触られるなんて…」


バコッ


「痛っ!!」

何かおかしなことを言い出す翔の言葉を最後まで言わせないように、その頭を叩いた。


「誰がいつ私がお前のだって言った!
私はわたしのもの!!」

「なんだよー、
俺と彰は深ぁーい仲じゃないか！」

「はぁー、
それはあんたが強引にしたんでしょ。
…まぁ、とにかくここから出ないでね!!」

「ちぇー、分かったよ。」


私は、翔が確かにそう返事したのを確認して部屋を出て行った。