人気女優がタイムスリップ!? ~芸能界⇒島原⇒新選組~


ジャリ…


「こんにちは。」


そこに立って微笑んでいたのは、現代だったら俳優やモデルになれるくらいの美青年だった。


「沖田さん!!
何でここに…」


「…えっ!!」


『この人が沖田総司……』


私が心の中でそう思っていると、沖田さんがこちらに歩み寄ってきた。


「あなた方2人が、一ノ瀬彰さんと三条翔さんですね? 
土方さんや、昨日島原に行った隊士から話は聞いています。では、案内するのでついてきてください。」


「はい……」

「………」


私たちは、沖田さんについていきながら壬生浪士組についての簡単な説明を聞きながら道のりを歩いていた。


「そういえば、僕は君たちのことを何と呼べばいいですか?」


「名前でいいですよ。」


「……同じく……」


そう答えた私たちに、沖田さんは感情のよく読めない顔で微笑んだ。


「じゃあ、翔君と彰さんと呼ばせていただきます。」


「……」


「はい、いいですよ。」


私はさっきからなぜか不機嫌の翔に代わって、笑顔を添えながらそう答えた。
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