人気女優がタイムスリップ!? ~芸能界⇒島原⇒新選組~

満月の夜

あの出来事の、私たちが返ってきたのは今で言う夕方の5時半ぐらいだった。


ここには、女中と呼ばれつお手伝いさんは私を入れて合計2人いるけど、もう1人の子は今日家の都合上休みらしく、今日の仕事は私1人でこなした。


だから、約30人分の夕食を作るのには時間がかかって作り終わる頃には、夕日が沈みかけていた。


みんなが食べている間にも、仕事はたくさんあってそれらが終わるころには夜の9時を過ぎていたらしく、私の女中生活1日目は緊張なんてしている間もなく終わってった。


そう、このめまぐるしく過ぎていった1日のせいで私の部屋のありさまを忘れていたのは言うまでもない…………






≪in 彰の部屋の前≫


パタ パタ パタ パタ…


パタ パタ パタ パタ… 


『どうしよう、本当に困った…』


そう、私は部屋の前で困り果てている。


さっきの、長い前置きの通り私の女中生活はあっという間に過ぎていった。


そのため、部屋のありさまを脳の奥底へ放置していた私はさっきまで翔と一緒に悩んでいたけど……


『じゃ、俺は一条の部屋に泊めてもらうわ』


と、言って逃げるように去っていった翔。


私が、その時色々と翔に言ってやりたかったけど口をつぐんだのは言わずもがな。


私まで、悠斗の部屋にお世話になるわけにもいかないので、汚い部屋の前でうろうろしていた今しがた。


『さすがに、
この部屋で寝るのは………(汗)』


バリバリ平成生まれ都会育ちの私は、この部屋で寝れるほど睡眠に困ってるわけでもないので………


「よし、縁側で寝よう!!」


こっちに来てからあまり使っていなかった私の脳みそで、そう答えをはじき出した。
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