人気女優がタイムスリップ!? ～芸能界⇒島原⇒新選組～

寝ているときに私は夢を見た。


それは現代、私が芸能界デビューしたばかりの夏の満月の夜。


私たち親子と悠斗は、父様が買ってきたBBQ(バーベキュー)セットで、プチBBQ大会を開いていた時のこと………






「ねーねー悠斗ー!
お肉まだこないのー??」


「ちょとまってろって!!
まったく、幸人さんも肝心なお肉かって来なくってどうするんですか。」


一ノ瀬家当主である父様に、一応敬語は使っているとはいえ、分家の長男であるはずの悠斗は容赦なく指摘をする。


「そうだよ、父様!!
お肉のないBBQなんて、肉のない焼肉パーティーだよ!!」


とはいえ、この光景は日常茶飯事なので私は悠斗に乗って文句という名の指摘をし、父様はは父様でソファーの上で体育座りをしてしょげ返っている。


父様って、ちゃんとしているときは一ノ瀬家の当主らしく威厳があるのに、私生活では私にもいろいろと負けてるんだよなぁ………


ガチャ…


「ただ今お肉を買ってまいりました!!」


そこへ、お肉を買ってきた使用人が返ってきて、それを合図にBBQパーティーが始まった。






《一ノ瀬家　中庭》


「じゃ、彰と私で野菜を切って、あなたと悠斗でBBQの台を出してちょうだい。」


「「はーい。」」


「ねーね、そんあの使用人にやらせればよくない？」


父様と悠斗が小学生のように手を挙げて返事をする中、私はだれもが思うはずの疑問を口にした。


「ダメ!!
そしたらただの食事会になっちゃうじゃない!!
BBQは自分たちで焼くからこそ、余計においしくなるのよ!!」


「…………確かに。」