人気女優がタイムスリップ!? ~芸能界⇒島原⇒新選組~
何でも、昔からBBQにあこがれていたらしい母様にうまく丸め込まれてしまった。


これでも母様は、父様と結婚する前は一ノ瀬家とは別の鬼の一族、柴咲家が経営している会社の社長令嬢だったらしく、家でも学校でも包丁さえ握らせてもらえなかったらしい。


ちなみに柴咲家は、15個ある鬼の一族のうちの一つで父様とは政略結婚らしい。


母様の話によると、父様と母様はお見合いのときお互いに一目ぼれをして、4か月と立たないうちにスピード結婚をしたそうだ。


「彰、彰!!
聞いてるの!?」


「………えっ??」


自分の世界に入り込んでいた私は、母様が私を呼ぶ声で現実に戻った。


「全く………
いいわね!!くれぐれも包丁なんかで指を切って血を流さないこと!!」


「何で??
そんなへまをすることはないと思うけど………


「ハァ………
全く聞いてなかったのね………
前、あなたに私たちは鬼の一族だって話したことあったでしょ?」


呆れのため息をつきながらも、また一から説明をしてくれる母様。


「その時、言ってなかったことがあったの。」


「言ってなかったこと?」


「えぇ。
私たち鬼は覚醒が終わった後、満月の夜に自分の血を見ると朝まで鬼の姿になっちゃうの。

ほかに、鬼の姿になる方法はあるけど、このときの痛みと苦痛は人間だと死に値するもの。

だから、くれぐれも気を付けるのよ!」


『なんで、そんな大事なことをいまさら言うかな………』


そう思いながらも、口に出さなかったのは母様が起こると怖くてめんどくさいからで………


「はーい。」


私は素直に返事をした。
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