人気女優がタイムスリップ!? ~芸能界⇒島原⇒新選組~
チクッ!!
その時、手のひらに鋭い痛みが走った。
「…………!!しまった!!」
急いで手のひらを確認すると、小さくて先のとがった小枝が刺さっている。
そこから流れる鮮血。
次の瞬間、全身をさっきとは比べ物にならないくらいの痛みと苦痛、焼けるようにあつい熱が迸った。
「っっ!!
ぐあっ…あ゛っ…痛い…苦しい」
血が沸騰したように全身を駆け巡る。
その時、私は鬼の姿になっていた。
「ぐっ…!!
っハー、ハー、ハ-…」
身体の熱がおさまり、痛みと苦しみが薄れていった頃、私は知ることになる。
この世界は不平等で理不尽だということを………
やっと、口が利けるまでに回復した私は自分の姿を確認するため、あらかじめをち歩いていた手鏡に自分を映す。
「な、に…これ…」
そこに映っていたのは、銀の髪に紫の瞳、額から2本の角が生えた醜い醜い鬼の姿の私だった。
「こんなの、
こんなの私じゃない…」
私は確かに鬼だけど………
私も、普通のの人間に生まれたかった………
いつ終わるかわからない、絶望するほど長く果てしない時間を私に生きろというの………
大切な友達が死んで、世界が変わっていく様を私に見届けろというの………
そんなの、そんなの理不尽すぎる………!!