人気女優がタイムスリップ!? ~芸能界⇒島原⇒新選組~
これでも時代三条家の当主だったんだ。


人の意志・思考は昔から見極めてきた。


だからこそわかる。


だからこそ賭けに出るんだ。


「俺は…………」



****


全部話した。


なぜ、彰にあんなことをしたのか。そしてそれれに対する後悔の念、俺の考え。


全部話した。


取引にはそれなりの代償がいる。


その代償が、俺の全部(記憶・思考)なんだ!





「なるほどな………
お前の考えはわかった。」


「それはよかった。」


未だに、何か考えるようにしてそう言った一条。


それに、俺は先を促すようにして返事をした。


「つまりお前は、“自分一人じゃ彰を守れるかわからないから、助けてほしいと”。
そう言いたいんだな?」


「ザックリ言うとそうだな。」


そうすると、一条はもう一度最初から話を整理して言葉を続けた。


「どういう理屈で俺のところに来たのかは知らないが、お前の気持ちはよくわかった。」


顔には出してないが、内心ではその答えを心臓を激しく鳴らしなが待つ俺。


「断る。

………と言いたいところだが、俺自身も単独だ彰を守れるとは思っていない。

くだらないプライドはこの時代、生きていくためには邪魔にしからならいからな。その話のってやろう。」
< 89 / 137 >

この作品をシェア

pagetop