人気女優がタイムスリップ!? ~芸能界⇒島原⇒新選組~
「お願いすれば、優しい土方さんは許してくれますよ?」


「やさ、しい……?
確かに土方さんは、悪い方ではないと思いますが………」


皆さんもうお忘れかと思いますが、土方さんは私の唇を奪った張本人なのです!!


私も一応女の子。
土方さんは私を助けてくれたりもしましたが、キスをしたことは周知の事実。


もう一度言います、土方さんは悪い方ではないと思う。


しかし、しつこいようですが土方さんは私の唇を奪った張本人なのです!!


こういう風に、私の脳内会議室で何人もの私が討論をする中、気付いたら沖田さんは夢の中へ入って行ってた。


「の〇太か!!」


珍しく私がノリツッコミをしていると、何気にスルー。


いや、現実逃避をして聞き流していた『総司-!!どこだー!!』という、そう聞こえる数人の声が近付いてきた。


ガバッ!!


『ヤバイッ!!
早く布団から出ないと、変な誤解される!!』


しかし、わたしの願いもむなしく、土方さんの部屋の襖は開いてしまった。


「総司-!!どこだー!!」


そこから現れたのは、副長助勤の藤堂平助さんだった。


「やっぱり土方さんの部屋だったか!!
まったく、土方さんが朝稽古に言ってる間に部屋に逃げ込むのはや、めろっ………て………」


襖をあけてすぐ、沖田さんを見つけた様子の藤堂さんは、一気になかなか朝稽古に来ないことについてお説教をした。


その後私の存在に気付いたらしく、言葉を所々詰まらせながら氷の様に固まってしまった。


「ボソボソ)何で一ノ瀬がこの部屋に総司ならともかくまさか昨日の夜三人であんなことやこんなことを………」


氷の様に固まってしまっても、口は動いている藤堂さん。


何で、そこまで息が続くの?と、疑問に思うほど、(てん)や。(まる)を使わないで話し続けるのは、すごいと思います。

私より、少し年上特有の想像力。悪く言えば妄想力は、私達三人を変な世界へと追いやったそうです。
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