人気女優がタイムスリップ!? ~芸能界⇒島原⇒新選組~
できる限り全力で、今さっきの誤解を解いた私。


流石に、私が鬼だというわけにはいかないから


『私の部屋が今、寝泊まりできない状況になってるので、そのことを土方さんに相談したらここで一日だけ止まってもいいって言われました。』


そう言って説得しました。嘘はついてないです。ただ、一部の事実を言わなかっただけです。


え?それが嘘をついていることになるって?そんなの気にしない気にしない。


誰と話しているかって?それも気にしない気にしない。


沖田さんはまだ夢の中なので、そのうちに都合のいいように私のない頭で必死に言い訳を考えました。頑張りました。


しかし今気付いた私の失敗。


人間、間違えずに生きれたらどんなに楽だろう。自分するべき行動が記されている、予言の 書?的なのが、お母さんのおなかの中から一緒に出てきたら、どんなにいいだろう。


もう、後悔しても遅いんです。口に出したことは、絶対になくならない。それが人間のさがというものなんです。


そんな風に、ふざけ半分のノリで人生を語ってみた私。人生を語ってみたくなるお年頃なんです。


ある種の現実逃避です。そろそろ意識をリアルに戻しましょうか。


さっきから、ちょっとばかし大げさに言っている私の失敗。それは………


沖田さんが目を覚まして、藤堂さんが私の言い訳をうっかり言っちゃったらもうおしまい!!ということです。


負の思考回路に陥っちゃった私。こうなったら、『鋭そうな沖田さんのことだから………』とか『私が鬼だってばれるんじゃ………』とか。思考回路が、負の連鎖状態に陥っている私。


めげずに思考を巡らせている間にも、身じろぎをして目を覚ました沖田さん。


「………ふあぁ~………
………? 平助、何でここにいるんですか?」


「あっ、総司!!
お前、朝稽古ちゃんと行けよ!!
まったく、土方さんに怒られるのは俺達なんだぞ。」


「クス クス クス…
平助は、怒るときまで可愛いですね。」


「なんだと!!
俺を可愛いなんて言うのは総司だけだ!!」
< 96 / 137 >

この作品をシェア

pagetop