雪ノ空【完】


「さ、もう寝ようかな。明日は朝早く起きたいし」

寒くなってきたな……。

あ、そっか。

今月はクリスマスがあるんだよな。

寒いのも当然かな。

雪……みたいな。




「………くーん…きく……雪くーん!」

「あ…ん……?…はい……?」

目を開けると看護婦さんが

ニコニコ笑ってご飯を持っていた。

「朝だよー!はい、朝ご飯!きちんと食べないと体に悪いよー!」

「ありがとうございます」

「あ、そうだ!先生がいってたんだけどね?午前中は院内で大人しくしてれば、午後は外に出てもいいんだって!」

「え、本当ですか?」

「うん!良かったねっ!それじゃあ、たくさん食べてね♪」

よかった。

ずっと病室じゃつまんないしね。

俺はテレビを見ながらご飯を食べた。

「ひまだなー。院内を散歩しようかな」

院内を歩いてみると色んな人が居た。

苦しそうな人や

病人じゃないみたいに元気な人。

まだ生まれたての小さな子だっていた。

あ、ここは小児科の病棟か。

「いーやーだーっ!!」

「だめでしょー!ほら、おいで?」

なんかもめてる?

そう思って入ろうとした時だった。

小さな髪の長い女の子が飛び出てきた。

たぶん5歳ぐらいかな?

「わ、お兄ちゃん助けて!リコ、いじめられてるのーっ!!」

「え?え?」

「あら、雪くん!ごめんねー、こらリコちゃん!お薬の時間だよ!みんなも飲んだんだよー!?」

「いーやーだーっ!!あ、このお兄ちゃんがリコと居てくれるならいいよっ!!」

「ええっ!?だめよ、そんなの!」

「大丈夫ですよ。丁度俺もここに入ろうと思ってましたし」

「あら、そう?じゃあ、どうぞ!みんなー、お兄ちゃんが来てくれたよー!」

病室は6人で1つの病室。

他にもリコちゃんと同じくらいの

女の子や男の子がいた。








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