風の詩ーー君に届け
「何で周桜が謝るんだ!?」


「記事が出たことで、情報の管理責任とか、漏洩捜査とか監査とか……アイツなりに考えたんだろう。自分は被害者なのに」



「人が良すぎるだろ……」



「ったく、糞がつくほど……詩月とすれ違ったが、声をかけられなかった。

あんな顔したアイツは初めて見た」



理久の目が黙りこんだ郁子を見据えている。



「何で、いつもアイツを追い込むようなことをするんだ!?

何でそっとしてやれない!?」



「……わからないわ」



「わからないって……アイツに構うなよ」



理久は舌打ちをし、画像を閉じる。



「気になるものは仕方ないだろう。なあ、郁」



「……そんな、違う……」


「貢、お前は何でそう能天気なんだ!?」




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