風の詩ーー君に届け
翌日、詩月は集中講義を終えXceon(エクシオン)のマネージャーに連絡を入れた。



昨晩、リーダー昴から電話を貰い事情を聞いたこと、自分で良ければヴァイオリンを弾いても良いこと、そして詳細を伺うため事務所へ出向いてよいかを訊ねる。



マネージャーは驚きと共に、申し訳なさそうに応対をし、「体は大丈夫なの?」と訊ねた。



詩月は「電車が来たので」と返事を濁し、電話を切った。




詩月には、大丈夫だとキッパリ言える自信はない。

電車など交通機関を利用するたび不安はある。

だが昨晩、泣きそうな声で連絡をしてきたXceon(エクシオン)のリーダー昴や遥、そして空を無視などできなかった。



Xceon(エクシオン)が所属する赤坂のビルに無事たどり着き、安堵する。



電車の中、座われたのは有り難かったなと思う。


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