風の詩ーー君に届け
2章/羽衣茉莉花
桜が散り、ようやく日の目を浴びるツツジの花や藤の花の呟きが風に乗り聞こえてきそうな、連休前だ。
大学生生活が、早くも1ヶ月になろうとしている。
ヴァイオリンコンクール以降、ステージに立ち演奏する機会が増えた。
楽器店やレコード店に貼られている、コンサートのポスターに写る自分の姿。
どこか澄まし顔で、自分ではないような気もする。
入学早々、安坂さんが学内オーケストラに勧誘してきたが、丁重にお断りした。
学生生活と演奏家。
二足のわらじは、思う以上にハードな日々だ。
ひよっこの演奏家など、吹く風に左右され簡単に、何処かへ吹き飛ばされてしまう。
大学生生活が、早くも1ヶ月になろうとしている。
ヴァイオリンコンクール以降、ステージに立ち演奏する機会が増えた。
楽器店やレコード店に貼られている、コンサートのポスターに写る自分の姿。
どこか澄まし顔で、自分ではないような気もする。
入学早々、安坂さんが学内オーケストラに勧誘してきたが、丁重にお断りした。
学生生活と演奏家。
二足のわらじは、思う以上にハードな日々だ。
ひよっこの演奏家など、吹く風に左右され簡単に、何処かへ吹き飛ばされてしまう。