風の詩ーー君に届け
詩月はマネージャーに苛立ちを通り越し、怒りを向けられている気がした。
「それに……会社の上層部では、あなたを事務所でプロデュースする話まで浮上してるわ。
スポンサーも、まだ説得できていないわ。
恐らくコンサート当日まで交渉しても、彼は引き下がらない」
マネージャーは睨みを効かせ、眉1つ動かさず静かに告げて歩き出す。
ハイヒールの音が再び規則正しく響く。
詩月は無言、押し黙り後に続く。
事務所の扉を開けたマネージャーが、空席の目立つ人も疎らな部屋を見渡し、詩月に「さっきの話は他言しないで」と耳打ちする。
そして「掛けて」と詩月に促し椅子を引くと、机の引き出しから透明ファイルに挟んだ楽譜を取り出した。
「それに……会社の上層部では、あなたを事務所でプロデュースする話まで浮上してるわ。
スポンサーも、まだ説得できていないわ。
恐らくコンサート当日まで交渉しても、彼は引き下がらない」
マネージャーは睨みを効かせ、眉1つ動かさず静かに告げて歩き出す。
ハイヒールの音が再び規則正しく響く。
詩月は無言、押し黙り後に続く。
事務所の扉を開けたマネージャーが、空席の目立つ人も疎らな部屋を見渡し、詩月に「さっきの話は他言しないで」と耳打ちする。
そして「掛けて」と詩月に促し椅子を引くと、机の引き出しから透明ファイルに挟んだ楽譜を取り出した。