風の詩ーー君に届け
11章/竪琴の調べ
昨日、理久は僕の気持ちが落ち着くまで、僕の側にいた。
理久が帰宅した後。
書斎のバルコニーから、星空を見上げ大学の裏門、竪琴を背にした男神像を思い浮かべた。
幽玄の竪琴奏者、オルフェウスを思い描かせる像の憂いを帯びた顔。
冥界の番犬ケルベロスやライン河の妖女ローレライを鎮めたほどの英雄とは結びつかない。
太陽神アポロンに、その竪琴の音色を認められ、死後には天に捧げられたと言われる竪琴。
男神像を見上げるたび、オルフェウスを重ねてしまう。
夕方から鳴り止まないスマホの着信音が煩わしくて、着信音をOFFにするも、着信ライトはいつまでも点滅していた。
防音効果のある練習室でヴァイオリンを弾く。
理久が帰宅した後。
書斎のバルコニーから、星空を見上げ大学の裏門、竪琴を背にした男神像を思い浮かべた。
幽玄の竪琴奏者、オルフェウスを思い描かせる像の憂いを帯びた顔。
冥界の番犬ケルベロスやライン河の妖女ローレライを鎮めたほどの英雄とは結びつかない。
太陽神アポロンに、その竪琴の音色を認められ、死後には天に捧げられたと言われる竪琴。
男神像を見上げるたび、オルフェウスを重ねてしまう。
夕方から鳴り止まないスマホの着信音が煩わしくて、着信音をOFFにするも、着信ライトはいつまでも点滅していた。
防音効果のある練習室でヴァイオリンを弾く。