風の詩ーー君に届け
「昨日の、あなたとの会話を盗聴されていたの」



盗聴……。

思いもしない言葉に背筋が寒くなる。



「あなたの後をつけ、電車内での画像を録り投稿したのも……たぶん事務所の人間よ」




「自殺未遂っていうのは……」


「盗聴器と画像を見付けて抗議しに行く途中、襲われて……気がついたら病室だったわ」



「よかった……自殺ではなくて」



ホッとして、口をついた言葉にマネージャーが微笑む。



「あなたには『ローレライ』なんて酷いことを言ったわね。

本心ではなかったわ。


ポスターやオーラ、あれは本当で、あの子達に気づいてほしくないけれど、ローレライだなんて思っていないから」



険しさは感じない。
印象通りの優しいお姉さん、何でも気軽に話せるマネージャーが微笑んでいる。


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