風の詩ーー君に届け
「あなたの演奏が、あの子達の意識を変えたのよ。

あなたとのCMで、あの子達は、どんなに才能があっても努力し、頑張らなければ輝かない。

自分自身を磨こうとしない原石は、輝かないダイヤモンドだって。

あの子達、あなたから学んだの」



マネージャーの目から溢れた涙が頬を伝う。


昨日とはまるで違う。

包み込むような暖かさに、この人がもう彼らのマネージャーではないことが残念でならない。


「あなたが『ローレライ』であるはずがない。

あなたを『ローレライ』っていう人の耳は節穴だわ。

ねぇ、弾いてちょうだい。

ヴァイオリンを……あなたの『Jupiter』を聴きたいわ」



涙を拭いながらマネージャーが言う。


病室でヴァイオリンなんて弾いていいのかと、戸惑う。


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