風の詩ーー君に届け
「ヴァイオリンロマンス!?ああ、学園伝説ね」


「学園伝説!? 本当にあるんだな。

GWに理久と安坂さん、3人で温泉地へ行った時、怪盗事件に遭遇して……。

ヴァイオリンロマンスが、うちの大学にあるって話を聞いたんだが……半信半疑だった」



「半分は信じてたのね」



「ああ、ガタニーニを盗まれそうになったからな。

占い師の梅サクラさんが、ガタニーニに術を掛けてくれて、無事だったんだ。

信じない訳にはいかないだろう」



「面白そうな話ね」



「そうか……野郎同士の旅話なんて……」


「違うわよ。

ヴァイオリンロマンスと怪盗事件」


「物好きだな」


「謎解きはlunchを食べながらしましょうよ」



郁子はふふっと微笑み、詩月の手からメモを抜き取った。


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