風の詩ーー君に届け
クラシックは、堅苦しくて面白みがないという思いこみを払拭させてしまうほど、繊細に作曲された曲だ。
詩月がそんなことを考えながら、男神像を見上げていると、安坂が「どうした?」と声をかけた。
「まさか、ヴァイオリンロマンスをネタに、あんな騒動に巻き込まれるとは思わなかったな。ガダニーニが無事でよかった」
「そうですね。
梅サクラさんのおまじないが効いたのかな」
「そうかもな」
詩月が無傷だったヴァイオリンを染々と見つめる。
「安坂さんは、ヴァイオリンロマンスを信じますか?」
ふいに詩月が尋ねる。
「そうだな……。信じてみたいな」
「意外だな、安坂さんは現実主義者だと思っていましたが、存外ロマンチストなんですね」
詩月がそんなことを考えながら、男神像を見上げていると、安坂が「どうした?」と声をかけた。
「まさか、ヴァイオリンロマンスをネタに、あんな騒動に巻き込まれるとは思わなかったな。ガダニーニが無事でよかった」
「そうですね。
梅サクラさんのおまじないが効いたのかな」
「そうかもな」
詩月が無傷だったヴァイオリンを染々と見つめる。
「安坂さんは、ヴァイオリンロマンスを信じますか?」
ふいに詩月が尋ねる。
「そうだな……。信じてみたいな」
「意外だな、安坂さんは現実主義者だと思っていましたが、存外ロマンチストなんですね」