風の詩ーー君に届け
新マネージャーは表情を変えず、詩月に近づく。
「君が、あの周桜詩月……くん。……宜しく」
無表情のまま、右手を差し出した。
「旧マネージャーから、今日のコンサートにメンバーと「Jupiter」を弾くよう言われていて、ご挨拶と段取りを伺いに来ました。
宜しくお願いします」
詩月は、左手を差し出す。
詩月は旧マネージャーの「コンサート後は、あの子達と共演させたくない」という言葉を尊重したい。
左手の握手――それは、拒否の意志、さよならの意志。
日本では、どちらの手を出そうと意味はないが、西欧では、そういう意味を持つと言われる。
「今回で、共演は終わりです」
その意志だということを新マネージャーは、理解しているはずもない。
左手を差し出した詩月に首を傾げながら、右手を引っ込め左手で握手をする。
「君が、あの周桜詩月……くん。……宜しく」
無表情のまま、右手を差し出した。
「旧マネージャーから、今日のコンサートにメンバーと「Jupiter」を弾くよう言われていて、ご挨拶と段取りを伺いに来ました。
宜しくお願いします」
詩月は、左手を差し出す。
詩月は旧マネージャーの「コンサート後は、あの子達と共演させたくない」という言葉を尊重したい。
左手の握手――それは、拒否の意志、さよならの意志。
日本では、どちらの手を出そうと意味はないが、西欧では、そういう意味を持つと言われる。
「今回で、共演は終わりです」
その意志だということを新マネージャーは、理解しているはずもない。
左手を差し出した詩月に首を傾げながら、右手を引っ込め左手で握手をする。