風の詩ーー君に届け
詩月は頬の火照りを感じながら、レジへ向かう。
会計を済ませ、モルダウを出る。
陽射しの強さと眩しさに、詩月は溜め息を漏らし、ゆっくりと歩き始める。
窓越しに詩月の姿を見送りながら、理久は安坂の向かいの席に腰を下ろす。
「貢。あいつの留学条件な、実際かなり厳しいんだ」
「ん……わかってる。
周桜が2年前、屋上で弾いていたヴァイオリンの調べ『タイスの瞑想曲』思い出した。
編入試験に弾いた曲だって言いながら、目を真っ赤にして弾いていた。
だけど、今度は諦めてほしくないよな」
「そうだな。あんなに頑張ってるんだ……叶えてほしいよな」
「周桜なら叶えるよ、あいつならきっとな」
会計を済ませ、モルダウを出る。
陽射しの強さと眩しさに、詩月は溜め息を漏らし、ゆっくりと歩き始める。
窓越しに詩月の姿を見送りながら、理久は安坂の向かいの席に腰を下ろす。
「貢。あいつの留学条件な、実際かなり厳しいんだ」
「ん……わかってる。
周桜が2年前、屋上で弾いていたヴァイオリンの調べ『タイスの瞑想曲』思い出した。
編入試験に弾いた曲だって言いながら、目を真っ赤にして弾いていた。
だけど、今度は諦めてほしくないよな」
「そうだな。あんなに頑張ってるんだ……叶えてほしいよな」
「周桜なら叶えるよ、あいつならきっとな」