風の詩ーー君に届け
安坂が穏やかに、染々と言う。
「貢、お前は挑戦しないのか、国際コンクール?」
「準備はしてる。俺の実力では、まだ……来年、挑戦して必ず決勝に」
「触発されたか、詩月に」
「だな。不思議な奴だよ、周桜は。
クールなのかと思えば、ウソだろって思うほど熱い。
頼りないなと思っていれば、思いもしないほど凄いことを簡単にやってのける。
知らない間に、周桜が事の中心にいる」
「変われたんだ……聖諒での2年間が、あいつを変えたんだ……郁子がな」
「熟田津に……熟田津に船乗りせむと月待てば 潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな……か。
額田姫王を持ってくる辺りも、周桜らしいよな」
「ああ、理解する方は大変だけどな」
「和と洋、日本と西欧が周桜の中には巧く調和してる」
「貢、お前は挑戦しないのか、国際コンクール?」
「準備はしてる。俺の実力では、まだ……来年、挑戦して必ず決勝に」
「触発されたか、詩月に」
「だな。不思議な奴だよ、周桜は。
クールなのかと思えば、ウソだろって思うほど熱い。
頼りないなと思っていれば、思いもしないほど凄いことを簡単にやってのける。
知らない間に、周桜が事の中心にいる」
「変われたんだ……聖諒での2年間が、あいつを変えたんだ……郁子がな」
「熟田津に……熟田津に船乗りせむと月待てば 潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな……か。
額田姫王を持ってくる辺りも、周桜らしいよな」
「ああ、理解する方は大変だけどな」
「和と洋、日本と西欧が周桜の中には巧く調和してる」