風の詩ーー君に届けのレビュー一覧
平均評価星数
5.0
2014/09/08 21:01
投稿者:
圓谷愁
さん
ロマンスの音色
未来の輝ける音楽家、周桜詩月。 才能と、それを上回る努力をする、麗しのヴァイオリニストは、周囲から二つの別名で呼ばれた。 『ローレライ』『オルフェウス』 オケの確執や執拗な苛め、ゴシップ、そして自身の病気と戦う詩月は、それでも貪欲に音楽を奏で、逆境も追い風に変える演奏をしていきます。 その強さ そして、彼の本質の弱さ 色んな想いが重なりながら織り成す物語は、それこそ詩月の奏でる壮大で、どこか甘やかなのようでした。 物語終盤、ヴァイオリンロマンスの音が、ヒロイン郁子との恋の音色のように響き渡ります。 薔薇の花のように、可憐に咲き誇り、甘やかな香りが広がるラスト。 一概に『恋愛』というジャンルに閉じ込めるには勿体ない物語。 是非、ロマンスの音色を感じて頂きたい作品です。
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