シンデレラガール
あたしは台本を手に、監督の所へと向う。


「監督。ここの、あたしシーンから撮影始めてもらえますか?」

「でも、あかりちゃんが、、、まだ役に入り切れてないみたいなんだよね」


監督は、困ったように苦笑いを溢す。

それは、あたしだってわかっている。


「とりあえず、やってみても良いですか?」


まだあたしは、あかりちゃんと一緒のシーンを撮影していない。

だから、あかりちゃんがどこまで役を理解しているかもわからない。

だからこそ、彼女の力量を知りたい。


「お願いします」


あたしは監督に頭を下げる。

そんなあたしに、監督の方が折れてくれて、渋々了承してくれた。

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