シンデレラガール
「ライバルになりそう?」


それは、まだまだ先の話だ。

それにあたし自身、まだまだ未熟な所がある。


「役者として、あたしは未完成。だからこそ、あたしは上を目指し続ける。そんなあたしが、周りのことを意識してる暇なんてないから」

「相変わらず、自分に1番厳しいんだから」


聖奈は、良い役者よ。

でも、そんな聖奈だからこそ、ヒロちゃんは付いて行くのだ。

そんなヒロちゃんの気持ちなんて、あたしは知ることなんてなかった。

共演者やスタッフたちに挨拶をし、あたしは現場を後にした。

その時には、ヒロちゃんに言った、、、


『後で、ちゃんと謝りに行きますよ!』


その言葉を、すっかり忘れていた。

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