シンデレラガール
「、、、聖奈」

「どんな状況だろうと、あたしは演じる。だってあたし、役者だから」

「わかった。外に車待たせてあるから、行くわよ」


その言葉に頷き、あたしは役者としてのスイッチを入れる。

本当は、この世界に勝ち負けなんて無いのかもしれない。

勝手にあたしが意地になって「勝ち負け」と言う、区別をしているだけなのかもしれない。

でも、、、

今のあたしの近くには、役者として負けたくない人が居る。

それが「神崎瑛太」だと言うことに、少し不服だが、、、

だけど神崎瑛太は、同じ役者としてあたしよりも上にいる人間だ。

それを昨日の撮影で、あたしは痛いほど自覚した。

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