シンデレラガール
そして神崎瑛太は、なぜか?

あたしの隣に腰を下ろす。

この腹黒男も、この撮影が終わるの待ちなのだろう。

だからって、隣に座らないで欲しい。


「なんで、座るんですか?」

「空いてたから。別に意味なんてねぇよ」


現場に用意されて居る椅子は、確かにあたしの隣にあるものしか空いていない。

他の椅子には、同じく撮影待ちの出演者たちが腰を掛けている。


「で?お前はなんで、さっきからため息付いてたわけ?」


それを神崎瑛太に話す義務なんて、ありませんから!!

だから、あたしは神崎瑛太の言葉をスルーする。


「無視とは、良い度胸だな。次の撮影も一緒だってのに」


それりゃ、あたしは葵ですから?

橘先生役のあなたとのシーンが他の人より多いのは、仕方ない事だ。

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